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Perfumeが語る、“過去と現在”の心境が重なりループするシングル『Time Warp』と未来の1ページをめくるドキドキ感



Perfumeインタビュー

 今年で結成20周年、メジャーデビュー15周年を迎えたPerfumeが、アニバーサリーイヤーを締めくくる企画「Perfume 15th&20th anniv with you all」Vol. 2として、約2年半ぶりのニュー・シングル『Time Warp』を9月16日にリリースした。タイトル曲「Time Warp」、カップリングの「再生」共に、その歌詞からはPerfumeとプロデューサーの中田ヤスタカが駆け抜けてきた月日や現在の心境をうかがい知ることができる。また、親しみやすく明るいポップなメロディとサウンドにPerfumeの原点へ思いを馳せ、自分が過ごしてきた月日と重ね合わせるファンも多いのではないだろうか。

 「Time Warp」と「再生」についてはもちろん、昨年行われた4度目のワールドツアー、世界中にその名を広めた【Coachella 2019】初出演、全国4大ドームツアー【Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed”】で立った久しぶりの東京ドームのステージのこと等々。アニバーサリーイヤーを迎え新たな一歩を踏み出す3人に、ロングインタビューで思う存分語ってもらった。

ファンの人たちとの思い出、新しい出会い
すごく良い1年でした

――2019年9月に結成20周年とメジャーデビュー15周年に突入、いよいよアニバーサリーイヤー最終章を迎えてのニュー・シングル『Time Warp』がリリースとなります。タイトルに時間という言葉が入りましたが、この1年間の時間を振り返ってみてどんな思いをもっていらっしゃいますか?

のっち:メジャーデビュー15周年のタイミングで、ずっと出してこなかったベスト・アルバムを出したんですけど、それが私たちにとってすごく大きなことだったと思います。それと同時にサブスクで全曲の配信を始めたこともあって、昔Perfumeを聴いていたとか、CDを聴いてみたいけど買えないみたいな若い子たちにも聴いてもらえるようになって。そこで、自分たちとファンの人たちの思い出だったりとか新しい出会いがあったし、すごく良い1年でした。

かしゆか:そのベスト・アルバムを出すにあたって、自分たちが今まで出してきた曲を全部振り返ってラインナップを見て、どの曲を入れるかをみんなで決めたんですけど、どの曲も全部カッコよくて。「どれも外すには惜しい」と思えるのはすごく誇らしいなって思いました。その中でも52曲に絞ったんですけど、さらに周年のドームツアーをするときに、セットリスト用にまた曲を絞ることになって、結構大変でした。どの曲も精一杯選んだ曲だから、「自分たちで決められない!」ってなって(笑)。ファンの方からいただいたリクエストを元に作ったライブだったので、本当にみなさんと一緒に自分たちの周年をお祝いできて、感謝祭みたいな気持ちですごく充実した年でしたね。色んな過去を振り返って、どの過去も自分たちが精いっぱいやってきて、カッコいいものを作ってきたんだなっていうのと同時に、その楽曲を中田(ヤスタカ)さんが全部リマスタリングしてくださったことも大きかったです。今まで過去のライブだとどうしても音源の差とか、10年前の音と現在の音だとやっぱり機材も違うしクオリティにバラつきがあって相性とかも気にしていたんです。今回リマスタリングしてもらったおかげで全部関係なく自由にセットリストが組めるようになったのは大きかったですね。

あ~ちゃん:周年に入る前にも色んなことをやらせてもらって、周年に入ってからもベスト・アルバムを出してドームツアーをやらせてもらって。自分たちのことを考えたり、まわりの人たちのことを思い出したりとか、自分たちの歴史を振り返ったりする機会がすごくたくさんあったんですけど、自分たちがこれまでやってきたことはすべて無駄じゃなく全部が必要だったことで、そしてそのすべては“それぞれの愛”だなぁと思うんです。そこにみんながかけてくれた思いとか、時間とか、そういうことをこれからも信じて欲しいし、私たちのことを信じてくれる人たちに自分のことを信じて欲しいし、「信じていて良かったな」って思ってもらえるような新しい挑戦や、それを誇りに思うようなPerfumeの活動を常にやってこられているなって。私たちは中田さんに全部の曲を書いてもらってますけど、いただいている曲が毎回毎回、本当にカッコよくて。自分たちの曲なんですけど、振り返れば振り返るほど、「わ~! マジでカッコいいなあ!」って、本当に心の底から思っているので。そういうプロデューサーに出会えたことにも本当に感謝していますし、これからもやっていけるんだなっていう喜びがあった1年でした。

――みなさんそれぞれが、客観的なPerfumeのファンでもある?

あ~ちゃん:そういうところはあるかもしれないですね。自分たちであるようで、たくさんの人たちが私たちを「どうやったら面白いかな? こんなことをやったらもっと新しい一面が見せられるんじゃないかな?」と、それぞれが思う“Perfume像”的なものを持ち寄って、Perfumeというものを更新してくれるので。ステージには私たち3人で立っているけど、でもそこには何百人もの力と才能と思いが詰まっていると思います。自分たちだけじゃなくてみんなで作っているという感覚があるので、そういう客観的な思いというのはあるかもしれないです。

――「Perfume “Challenger” MUSIC VIDEO PLAN CONTEST」では、そうした“Perfume像”への愛や思い入れが世界中の人々から集まりましたね(11歳の小学生Hirotoさんの『つながり~過去を超え・今を生き・未来を創る~無限の可能性を秘めた僕らはチャレンジャー』がグランプリを受賞、映像化された)。

あ~ちゃん:本当に素晴らしかったです。どの人のアイディアもやりたいって思っちゃって。でもやっぱり、あのHiroto君のプレゼンは、今思い出しても涙が込み上げてくるぐらい、アツいものでしたね。「こんな若い子が、自分たちを通して才能を開花させる瞬間を目撃できるんだ!?」みたいな。そのアイディアの元になっているのが「Perfumeが好きだから、Perfumeをこうさせたいからこう思った」という気持ちなのが、改めてすごいなって思いました。自分たちがまさかそんな存在になれているなんて。それは企画をやろうと思ったとき以上の自分たちの収穫でしたし、めちゃくちゃやりがいのあるイベントでした。


――Hirotoさんのグランプリ受賞は、3人の意見が最初から一致していたものだったんですか?

のっち:早かったよね?

あ~ちゃん:うん、早かった。

かしゆか:その場に関(和亮)監督と振り付けのMIKIKO先生もいたんですけど、5人満場一致でHiroto君に票が入ってましたね。

あ~ちゃん:みんな、「私はHiroto君と誰々ですかね~」「僕はHirotoと誰々かな~」みたいな。「それ、もうHiroto君ですよね!?」ってなりました(笑)。あれはなんだろうな〜心を突き刺すプレゼン力かな。

のっち:色んな年代の人が応募してくれて、大人の方のアイディアは最後に作品になったときが見えていて。起承転結はできていたりとか、ストーリーは関さんにお任せしますとか、アイディアは自分のものだけど作品はやっぱり監督が作るものという意識を持っている人もいたんです。でもHiroto君は若いから、若い子が考えるものがちゃんと作品に落とし込めるかということを関さんは考えていて。「それを関さんはどう作るんだろう?」という好奇心はありました。

かしゆか:いろんな人が応募してくれた中で、Perfumeに対する思いの馳せ方にみなさん共通する部分があって、選ぶのがすごく難しかったんですけど、その中でもHiroto君は熱意というか言葉の力がすごくて。他にも一桁台の年齢の女の子とかいたし、様々な年齢の人がいたんですけど、その中でもHiroto君は用意した言葉をちゃんと読もうというよりは、その読んだ言葉の先の思いを伝えたいという思いが溢れていて。すごく熱意を感じたし、その先の世界を見てみたいなっていう気持ちに動かされたことが大きかったです。

――そういう、年齢とかにこだわらずに良いものを柔軟に受け入れる姿勢に、Perfumeがデビューからここまで活躍の幅を広げてきた理由の一端を見ることができる気がします。

あ~ちゃん:そう言ってもらえるのはすごくありがたいですね。言ってもらえたこととか、自分たちに期待してくれることとかが、本当に嬉しいんですよ。インディーズ時代とか、挨拶すら返してもらえない、まだ偉い人たちの視野にも入れていない自分たち――期待さえしてもらえないような、そういう感覚がまだこびりついていて。そのときの思いを忘れることができないので、期待していただけるということが、どれほどの喜びかということを、Hiroto君のときにもめちゃくちゃ感じましたね。自分たちを通して「こういうことがやりたいんです!」っていう1人の思いとかを実現させたいって思う、Perfumeの根底にあるファンサービスな心がモノを言うんですよねー…「尽くしたいなぁ〜」みたいなそんな思いがあるんだと思います。

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中田ヤスタカさんは、いつだって
今のPerfumeのちょっと先を書いてくれる

――現時点で直近のファンの前でのパフォーマンスは、2月25日に行われた東京ドーム公演(翌26日は開催中止)となるわけですが、久しぶりの東京ドームのステージにはどんな思いで立っていたのでしょうか?

のっち:これは客観的に後からDVD、Blu-rayの映像チェックで感じたことですけど、ドームに対する緊張感が薄くなっていて、「ああ~、大きくなったな」って自分で思いました(笑)。もちろん緊張はライブごとにするんですけど、ドームへの気負いがなくなったというか。初めて東京ドームに立ったときは(2010年11月3日)、これで最後かもしれないし、絶対に成功させないといけないという気負いがあって。2回目の東京ドーム(2013年12月24日、12月25日)のときは、海外ツアーにもまわり出して、アウェイでのライブが多かった時期で、東京ドームというすごく大きい会場なのに、ホームのライブに感じたんです。今回の3回目は、ベスト・アルバムのツアーだし大きいところでやりたいなと思った会場が東京ドームだった感じですね。

かしゆか:今回の東京ドーム公演は、できるかできないかということを前日の夜まで話していた状態だったので、お客さんが来てくれて開催できただけでも、ものすごく嬉しかったです。コロナのことを抜いて考えるなら、もう楽しみでしょうがなくて。ベスト・アルバムをみんなで一緒に体感して、ライブを作れるという喜びがあって、各地を回っていた集大成が東京だったので。「私たちが今一番楽しくてカッコいいと思えるのはこれだよ!」っていうものをやっとみんなと共有できるというか。「東京の人、お待たせしました~!」みたいな気持ちですごくワクワクして楽しかったです。今までの東京ドーム公演だと、完成させなきゃとか、心配なことが付きものだったんですけど、各地を回ってきたからか、嬉しい気持ちでいっぱいでした。ドームツアー自体が、本当にお祭りみたいに一緒に楽しんで「今までありがとう! これからもよろしくね!」みたいなことを伝えるつもりのライブだったので、気持ちは軽くてすごく楽しかったです。

――その模様がまるごと『Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome』に入っているわけですね。

かしゆか:そうです。前日の夜に開催するかしないか話し合った結果、「やっぱり待ってくれている人がいるならやりたい」と思って開催して、払い戻しも行って、本当に自分の覚悟を持って集まってくれた人がたくさん来てくれたので。その人たちへの思いが表情にすごく出ていると思います。そこは、普通の東京ドームライブとは違う表情かもしれないです。

あ~ちゃん:すごい楽しんでましたね。いつもドームに立つと「ひ、広い!」みたいな、自分の視野とか気持ちの範囲として「ここまで全部は無理そうだな」みたいな、人に覆われているような感覚や、照明が行き届かない場所もあるぐらいの広さを感じていたんです。でも今回は「あれ? 見渡せる!?」っていう感じで。それは、今までドームのステージに立ってきたという経験が、自分の中にちゃんと構築されているんだなって。「ただいま!」みたいな感覚になっているというか、「すげえ! 大物みたいじゃん!」って思いました(笑)。

――大物みたいというか、めちゃくちゃ大物ですけども(笑)。ただ、「ただいま!」って思える人はなかなかいないでしょうね。

あ~ちゃん:そうですよね、本当にビックリしました(笑)。音の反響の感じとか、そこから見る天井の景色とかも、「あのときにはこんな色見えなかったなあ」って。(昔は)色の識別もできないぐらいに緊張していて(笑)。「(ドームの天井の色は)グレーだったんだ。もっと白いと思ってた」みたいな。そういう自分の感覚の思い出があるから、ちゃんと歌手として歳を重ねられてるんだって分かって、嬉しかったです。

――「Time Warp」はアニバーサリーイヤーを象徴するようなタイトルと歌詞が、Perfume、中田ヤスタカさんが駆け抜けてきた月日、今の心境を想像させます。どんな思いで歌いましたか?

かしゆか:この曲をいただいたときは、メロディと楽曲自体がポップでかわいいなって思ったんですけど、歌詞を読み込むと、「やっぱりこれだけ長くやってきたからこそ、初体験を越えるドキドキはむずかしいよね」っていう思いが詰まってるなって思いました。初めての体験って、すごい緊張感とドキドキで衝撃的だったりするけど、それを2回、3回と繰り返すと同じ感覚はもう味わえない。そんな中で、どれだけ自分がその状況を楽しめるかを歌っているような気がして。やっぱり中田さんは、いつだって今のPerfumeが置かれている状況のちょっと先を歌詞に書いてくれているなって思いました。

――ちょっと先、ですか。

かしゆか:そうなんです。いつも、ここから先みたいな歌詞をくれるんですよね。初めて日本武道館のライブを達成できたときも、「Dream Fighter」(2008年)で「全然まだここから行くよ!」みたいなことを言って後押ししてくれたり、「STAR TRAIN」(2015年)を出したときも、今まで一緒に歩んできた道のりを追いつつ、「それでもいつもここがスタートライン」って言ってくれたり。現状に満足しそうになったときに、その先を一歩見せてくれるのが中田さんだなって、いつも感じています。


のっち:(「Time Warp」は)それこそ無邪気な少年の心で歌おうって、楽しく歌いました。やっぱり聴くたびに、「こういうことに悩んでいるわけじゃないんだけど、なんかこういう言葉をもらえたら救われるな」みたいな歌詞を中田さんはくれるんですよね。長く続けているから歌える歌詞だなと思いました。「あのときが一番キラキラしてた」とか「あの感動はもう味わえないよね」とか、「もっと大人になったらこういうキラキラしたことがあるかもしれない」とか思っちゃいがちなんですけど、だけど過去の自分も今も未来もそれぞれ自分はそのときを生きていて、そのときにドキドキできているから、「結局は今が最高」っていう歌なんだと私は思っています。「そういう考え方で生きていこうよ」みたいな提案をしているというか。この曲は今年の初めにレコーディングしたので、今のような状況がわからない状態のときに歌った曲ではあるんですけど、すごく今欲しい曲だなって思ってます。

あ~ちゃん:私は2番のAメロとBメロがすごく好きで、のっちが言ってくれた言葉にも共感できる部分があって。2番の<1ページを めくる時の気持ち 忘れない ドキドキしてたいの>って、本当に中田さんそのものだなっていうか、ここはすごく共感できました。「わかる! 言いそう! Perfumeこういうこと歌いそう!」みたいな(笑)。歌ってて楽しかったし、心地よかったです。でも、サビがめちゃくちゃ高くて、レコーディングのときにほとんど吠えてましたね(笑)。

かしゆか・のっち:(笑)。

あ~ちゃん:<限られた~>のところはミックスボイスだろうなって思ったんですけど、ミックスボイスでもお腹の底をグーっと持ち上げるような強い声が欲しいんだろうなって、仮歌の感じを聴いて思っていたので、腹筋がめちゃくちゃ筋肉痛になりました(笑)。

――なるほど(笑)。中田さんは、毎回そういうPerfumeにとってチャレンジになる部分を投げかけてくるわけですか?

あ~ちゃん:そうですね。そこに意図があるかはわからないんですけど。こんなに長くやってるのに、掴み切れないというか、言葉をほとんど交わさないので。でも、その中で阿吽の呼吸もたくさんありますし、探りながら歌っているところがあります。それが中田さんの期待に応えられているかどうかはいまだにわからないんですけど。

――「ここはどう歌えばいいですか?」みたいな言葉を交わしたりはしないんですね。

あ~ちゃん:たぶん、訊いたら答えてくれるんですけど、天才にそんな細かいことは訊けないというか、自分たちが中田さんのことをだいぶ尊敬している部分があるので、そういうことは言葉で訊かずに自分で感じ取るものだって、昔からの“アクターズ(スクール)精神”というか(笑)、「あんまり訊いたら悪い」みたいに思っちゃいますね。“アミューズ精神”かもしれない(笑)。

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  2. 「Time Warp」と「再生」が合わさるとすごく響く
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「Time Warp」と「再生」が合わさると
言ってることがすごく響く

――近年のクールなEDMというイメージよりポップなPerfumeというサウンドは原点を意識しているようにも思えます。

かしゆか:「Challenger」あたりから、昔の流れを今に変換していることは感じています。昔私たちに使ってくれていた音を入れてくれたり。それは前からたぶん中田さんの中でハマっているというか、“中田イズム”みたいなものがあるんでしょうね。その音を使うっていうよりは、自分から出てくる音階は中田イズムそのものだっていうか、違う音階なんだけど、「あ! 中田ヤスタカだ!」って思わせるオリジナリティが音のチョイスにもきっと表れていると思います。そういうことをちょっと前からやってくれているので、不思議なんですけど、自分たちもなんとなく懐かしいような感覚があるんですよ(笑)。

――その懐かしい感覚と掛かっているのか、完全生産限定盤には「Time Warp」特製カセットテープが付属しますね(収録内容は非公開)。Perfumeはアナログレコードも出していますけど、付属とはいえカセットテープを出すのは初めての試みですよね。カセットテープって使ってましたか?

のっち:自分たちはたぶんギリギリ、カセットテープ世代で、小学5年生ぐらいまではバリバリ使ってましたね。それからMDも経験してiPodになって、という流れを体験してきて。アクターズスクールで「これ練習してきてください」って渡されるのは、いつもカセットテープでした。それを聴いて練習してきて披露するみたいな。

――じゃあ、音楽ソフトの変遷をちゃんと体験してきた世代ですね。

あ~ちゃん:ああ~、そうかもしれないですね。A面B面の概念も知ってますし、両A面とはいいながら、「やっぱりA面の方が前」っていう、その感覚も知ってます(笑)。『Time Warp』で言えば「Time Warp」が1曲目なのでA面ですね。

かしゆか:私もカセットテープは使ってました。何で使っていたかは覚えていないんですけど、録音も再生もできる小さな機械を持っていて。今の若い子たちは知らない、聴けば聴くほどテープが擦れて音が伸びて行くというか、データではわからない味みたいなものに、年月が積み重なっていく面白さを体感してもらいたいですね。たくさん聴いてテープを擦り減らして面白く聴いて欲しいです。

――カップリングは昨年リリースされた配信曲「再生」ですが、「Time Warp」と「再生」はどんな関係だと思って聴けば良いでしょうか?

あ~ちゃん:ああ~、なるほど。

かしゆか:面白い、初めて訊かれた。

のっち:うん、確かに。「再生」を配信リリースしたのは、時代が配信ベースになっていく中で、「うちらもやってみようか?」みたいな感じで、お試しで配信だけにしたんです。でもやっぱり盤で欲しいって言ってくださる方も多くて今回収録したんです。

かしゆか:そういうタイミングなのか、どっちも同じようなことを歌っている気がしますね。「今が大事」とか「あの頃を思い出す」とかそういう感じが。でもどっちもものすごく底抜けに明るくて、両方の曲がこんなに明るいのは久しぶりなんじゃないかな?


――そういう意味でも、2曲セットでループして聴くと面白いシングルだなって思います。

あ~ちゃん:今それを言われて、「Time Warp」の深みも増したし、「再生」の深みも増しましたね。時間を遡って昔のドキドキを今でも忘れたくないっていう「Time Warp」の感覚と、「再生」の<コンピューターでも解けないわ>、<だけど最後の国から 便りが届いて すぐに行かなきゃ>、<最大限界生きたいわ>っていう「それがすべて!」っていう感覚というか。この2曲が合わさると、言ってることがすごく響くなって思いました。2曲セットで聴くというアイディアをいただいてありがたいです(笑)。

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  2. 画面を通して逆に距離が近くに
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画面を通すと遠のいたように感じるけど
逆に距離が近くなっている

――「再生」を東京ドームのライブで披露する前に、メジャーデビュー以降のツアータイトルが読み上げられるシーンがありましたね。その中に2019年に行われたワールドツアーと【Coachella 2019】も入っていましたが、【Coachella 2019】への出演は、時間が経ってから改めて振り返るとどんなお気持ちですか?

あ~ちゃん:すごいことだったな~って思います。タイミングもそうだし。あと、有名芸能人の方々から「コーチェラ見たよ!」って、すごく言われました。たぶん中継で観てくれたと思うんですけど、それぐらい注目されるフェスなんだなって。芸能人の方々から言われるってすごいなって。ことの重大さを終わってから知った感じでしたね。もともと、お話には聞いてましたけど、行ってみたら本当に音楽が好きな人たちがそれぞれ好きな音楽の聴き方をしていて、それがフェスのお客さんの雰囲気にめちゃくちゃ出ていました。おしゃれをして、でも気取ったりせずに楽しんでいるというか。客席が自分の舞台だと思って踊っている人もいっぱいいましたし、「ああ、このフェスすごく好きだな!」って思いました。でも、その分すごくシビアでもありました。最初に私たちがステージに出て行ったときはお客さんがまばらで満員とは言えなくて、「あ、ヤバいな」って思う気持ちと、「いや、負けない! 私たちは3人だ!」って熱くなる気持ちがありました。曲が進むにつれてお客さんが見えない先までどんどん増えてくのを目の当たりにして、中田さんの音楽は世界にも通じるんだなって。自分たちに興味を持ってくれるお客さんが増えていくのが目に見えて、【SUMMER SONIC 2007】で初めて夏フェスに出たときの感覚を思い出しましたね。でもステージ上は死ぬほど滑るし(笑)、緊張であっという間に終わりましたけど。


Photo by Coachella2019

――【Coachella 2019】はアジア&北米ツアーの最中に行われたわけですが、近年の海外ライブはどんな思い、目標で臨んでいますか?

のっち:緊張感を持って活動するために、常に挑戦できることを欲しているんですけど、その挑戦するという意味では、海外でのライブはかなり刺激をもらいますね。行くたびにわからないことがどんどん増えていくというのが、ライブとかプロモーションをしていて楽しいです。それに、どこの地域に行ってもPerfumeを待っていてくれるということが、本当にPerfumeでいることの喜びになっています。


▲2019年4月10日シアトル公演
Photo by Abbey Raymonde

――そうした海外での活動の手応えというのは、最初の海外ツアーから見てどのように変化しているのでしょうか?

かしゆか:最初に海外に行きたいと思ったときは、すぐにアメリカに行きたいと思っていたんです。『カーズ2』の挿入歌として「ポリリズム」を選んでいただいてワールドプレミアでハリウッドに行ったときに、「こっちにライブをしに来て!」って言ってくれる人がいたっていう驚きがあって。海外にもPerfumeを好きでいてくれる人がいるというのはなんとなく聞いていたんですけど、本当に目の前で直面したのはそれが初めてで、「そんなに言ってくれる人がいるなら行ってみたい」と思ったんですけど、いろんなスタッフさんとかマネージャーさんと話したときに、急にアメリカに行くよりはステップとしていったんアジアを挟んだ方が良いって言われて。確かにアジアでも知られていないんだから、そうした方が良いなと思って、アジアツアーを挟み、そこからちょっとずつツアーを重ねていって、北米だけでツアーがまわれるようになったのは、それなりに認知してもらえているんだなって実感しました。アメリカはニューヨークとロサンゼルスしか行ったことがなかったのに、ダラスとかシアトルとかサンノゼとか、「本当に知っている人がいるんだろうか!?」みたいな不安の中で行ったら待っていてくれる人がいたり、「来てもらえるまで7年間ずっと聴いてました!」っていう人とか、初めて行ったところの熱量がすごくて。覚悟を決めてツアーをまわって良かったなって、すごく感じました。海外にライブやプロモーションをしに行くようになって、「海外で実現したい夢はありますか?」って訊かれたときに、なんとなく知っていた【コーチェラ】とか海外のフェスに憧れて、一度は出てみたいっていう感じで「【コーチェラ】に出たいです!」って言ってたんですけど、実際にスタッフさんが一生懸命動いてくれて実現することになったときに、「これは取り返しのつかないことになった!」と思って(笑)。結構ビビりましたね、最初は。やっぱり、日本とは比べ物にならないぐらい大きな規模で、有名な人たちばかり出ているところに、私たちは北米ツアーをまわるとはいえ、拠点は日本だから、本当に人が来なかったらどうしよう、みたいな不安がいっぱいで。覚悟を決めなきゃ、という気持ちが結構大きかったです。でも、行ってみたら「こういう挑戦、好きだった!」っていうのを思い出しました。ツアーでまわってると、自分たちのことが好きで興味を持ってくれる人たちが足を運んでくれますけど、フェスって他のアーティストを見に来た人が新しいアーティストと出会うきっかけの場じゃないですか? そういう意味では、ちゃんとアメリカで自分たちを知らない人たちに見てもらうチャンス、挑戦の場だっていう気持ちが大きかったです。

――それこそ、<1ページを めくる時の気持ち 忘れない ドキドキしてたいの>ということですよね。

かしゆか:そうですね。今でもこうやってすごくドキドキして、成功するか失敗するかわからない未知のギリギリのところに挑戦できる場面とかステージを用意してもらえるのは本当に嬉しいです。

――今、こうした状況下で配信ライブも増えています。これまでも画期的な演出や挑戦的なステージを実現させてきたPerfumeには、例えば配信ライブがあったとして期待されるものも大きいと思うのですが、今後はどのように音楽を発信していこうと考えていますか?

あ~ちゃん:世界中の人が、「まさか」というような状況になっていますけど、その中でみなさんがZOOMで何かをしたり、会わなくても会ったような感覚になれるような配信ライブやイベント、トークをされたりしていて。画面を通すっていうと遠のいたように感じるかもしれないけど、これまで会えていたときだったらできなかったことができるようになっていて、逆に距離が近くなっているとも感じているんです。例えば自宅からライブ配信をしてファンと繋がるとか、私たちがこれまでやれなかったこと――それよりもライブで会おうみたいな、そういう枠が外れて選択肢が増えたというか……。だから、逆に距離が近くなったなって思っていて、自分たちの味方にしたいなって思います。ZOOMの四角い画面ではないですけど、もともとお客さんと会える状況下であっても、私たちはライブを生配信したり、実験的なエンターテイメントは以前からやっていてそれはもう向上心でしかない世界を楽しんでいて。だから、自分たちは自分たちらしく、カッコいいと思うことをやり続けられたらいいな、と思っています。それがこれからも実現できたらPerfumeは長く続くんじゃないかなぁ……。そこをファンの方たちも楽しみにしていてくれたら嬉しいです。

のっち:できないことも増えたけど、できることとか新しい何かを生み出そうとする力の方が、明らかに大きいなと思っています。ずっと家にいるんですけど、最近よく「エンタメ、超面白いな!」って思っているんです。この機会にエンタメはどんどん進化していくんだろうなって思いますし、Perfumeで新しいことをやりたいと思っている人たちがいるので、私たちもそこで新しい提案や面白いことをやっていきたいなと思います。

かしゆか:この時期をきっかけにいろんなことが変わっていくと思うんですけど、こういう時期を迎えて改めて、私たちはやっぱり人が好きで、人のためにやってるという部分が強いということを再認識したんです。伝えたい思いとか真意とかは変わらないままで、形が変わっていっても面白いことができたらいいなと思っています。でも、やっぱり聴いてくれる人や一緒になって作ってくれている人たちがいないと私たちは成り立たないので、そういう人たちと大切な部分は変わらないまま、変化していけたらいいなと思っています。

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