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Curly Giraffe×堀江博久 対談インタビュー ~90年代の出会いから現在までのクロニクル



Curly Giraffe 堀江博久 インタビュー

 5年ぶりとなるアルバム『a taste of dream』をリリースしたCurly Giraffeと、現在の日本の音楽シーンに欠かせない鍵盤奏者である堀江博久が共演するステージが『ビルボードライブ』で実現する!90年代からGREAT3、コーネリアスなどで活躍、自身のバンドやソロ活動に加え、ベーシスト、キーボーディストとして多くのアーティストからの信頼も厚い2人。今回はスペシャル・ゲストとして彼らと交流の深い高橋幸宏も参加。その豊かな音楽キャリアに裏打ちされたステージに期待が高まる中、2人の90年代の出会いから現在に至るまでのクロニクルを語ってもらった。

今思えば90年代はものすごく濃密だった気がする。

−−今回の『ビルボードライブ』は、Curly Giraffeと堀江博久さんお二人のステージになるそうですね。

Curly Giraffe(以下C):そう。Curly Giraffeとして弾き語りを始めて、そこにキーボードで堀江くんが参加してくれたり、2マンでツアーをやったこともあった。

堀江博久:2人でライブをするようになって、もう7、8年経つよね。

−−6月に行われたCurly Giraffeのバンドスタイルでのライブでも堀江さんはキーボードで活躍されていましたね。

堀江:バンドは、 名越由貴夫(Gt.)、恒岡章(Dr.)に僕というメンバーで、(高橋)幸宏さんもライブを観に来てくれた。

C:幸宏さんは僕の新作『a taste of dream』にボーカルで参加してくれたんですけど、オールスタンディングの会場に来てくれたのはうれしかった。

−−今回の『ビルボードライブ』には、その高橋幸宏さんも登場します。

堀江:幸宏さんは、以前からCurly Giraffeをすごく気に入っていたんだよね。

C:最初の出会いは、2011年に開催された『道との遭遇 ヒガシトーキョーミュージックフェスティヴァル』で、THE BEATNIKSとして出演した幸宏さんや(鈴木)慶一さんと初めて一緒に音を出したんですよ。その時にCurly GiraffeのCDを渡したら、それ以来気にかけてくれるようになって。

堀江:僕は幸宏さんが細野(晴臣)さんと組んだSKETCH SHOWの2002年のライブ『WILD SKETCH SHOW』が最初。ちょうどコーネリアスの『POINT』ツアーが終わった後で、小山田(圭吾)くんがSKETCH SHOWのライブにギタリストとして誘われて、「誰かいいキーボードいない?」と聞かれて、僕を紹介してくれたんだ。

C:俺や白根賢一は、堀江くんがSKETCH SHOWに参加すると聞いて、ちょっとジェラってたんだよ(笑)。特に賢一はYMO、幸宏さんの大ファンだからね。その後、賢一もTHE BEATNIKSでドラムを叩くことになりましたけど。

堀江:僕らと近いところにいるミュージシャンが幸宏さん世代に接近できたのは、SKETCH SHOWが大きかったし、小山田くんのおかげでもあるかも。

−−そもそもお二人が最初に出会ったのは?

C:1994年かな。デビューする前のGREAT3とPLAGUESが対バンした時にPLAGUESでオルガンを弾いていたのが堀江くんだった。その時のプレイに釘付けになっちゃって、GREAT3の鍵盤は彼が絶対にいいって呼んだんだ。

堀江:あれはロッテンハッツを解散して、GREAT3を結成した頃だよね?

C:そう。自主制作でデモテープのカセットを作って配り歩いていた頃。

堀江:僕は1993年くらいまでは“地下”にいたからね。90年代は自分たちの周りが続々デビューして、色んなことが起きたんだけど、誰とどの順番で会ったのかを調べていくと面白いんだよね。

C:そんなわけで、GREAT3がデビューしてからはガッツリ参加してもらうようになっていくんだけど、堀江くんみたいに振れ幅が大きいキーボーディストってちょっといない。

堀江:キーボードではあるけど、ギターが弾きたいタイプだからね。それが昔は闇雲すぎた(笑)。

C:最近はライブで半分以上ギターを弾いてることもあるよね。そこもミュージシャンとして得がたい個性で。

堀江:GREAT3と密に過ごしていたのは、90年代半ばからの3年くらい。レコーディングにもずっと入り浸って、ビートルズの『レット・イット・ビー』のビリー・プレストンじゃないけど、ああいう感じで時間がある限りは曲作りのセッションにも参加していた。

C:まぁ、言ってみりゃ第4のメンバーみたいな感じだったよね。

堀江:コーネリアスが海外ツアーに行くようになった98年くらいからはしばらく離れちゃうんだけど、今思えば90年代はものすごく濃密だった気がする。

C:たしかに90年代は濃かったけど、堀江くんともCurly Giraffeで一緒にやるようになってからの方がもう長くなったんだよ。

−−Curly Giraffeとして活動をスタートしたのは2005年ですが、当初は匿名性が高かった記憶が?

C:最初はアルバムを1枚出して終わるつもりだったんですよ。だから1st アルバムも『Curly Giraffe』(2006)とセルフ・タイトルにして、思い出作りになればくらいの気持ちだった。それが意外と評判がよくて続いてしまった。

−−元々、ソロ指向はあったんですか?

C:いやいや。ソロをやるつもりもなかったし、自分がメイン・ボーカルをやる発想自体なかった。最初のレーベルのディレクターに「デモとかないの?」って言われて、「GREAT3の時に書いた曲ならあるけど」って試しに聞いてもらったら、「これをそのまま出そうよ」という話になったんです。英語で歌ったのも、洋楽だと思って聴いてくれる人がいたら面白いなという遊び心からだし、ジャケットも70年代の隠れた名盤の再発みたいな架空のイメージにして。

−−それがすでにオリジナル・アルバム7枚。活動もバンド時代より長くなりましたね。

C:そうなんですよ。今思えば、ロッテンハッツ、GREAT3、その前のワウ・ワウ・ヒッピーズを含めても、バンドでの活動期間は案外短かった。

堀江:うちらは共通して、どこで何をしているヒトなのか、見え方が人によって違うと思うんだ。僕にしてもTHE CORNELIUS GROUPなのか、NEIL AND IRAIZAなのか、それ以外なのか。それが自分でも面白くはあるんだけど。

C:そうだね。二人とも色んな人と一緒に活動しているからね。

−−堀江さんも90年代の様々なバンドでの活動が、その後の多彩な活躍に繋がっていきますね。

堀江:ACROBAT BUNCHでは、いまLOSALIOSで一緒のアイゴン(會田茂一)や、Curly Giraffeでドラムを叩いている恒ちゃん(恒岡章/Hi-STANDARD)との接点も早かったんだよね。僕はハイスタの『MAKING THE ROAD』(1999)でキーボードを弾いていたり、AIR JAM界隈の人たちとも交流があったから。

C:恒ちゃんはハイスタの時、こっそりGREAT3のライブを観に来ていたらしい。僕もハイスタは好きだったけど、当時、交流はなかった。

堀江:そうやって90年代に知り合ったミュージシャンたちと色んな場面で繋がって、その関係が続いていくんだよね。だから、ジャンルはほとんど気にしない。面白くて、カッコイイ人の近くにいるのがいちばん間違いがない、というのが僕の持論(笑)。

C:そうそう。ミュージシャン同士の繋がりって、ジャンルじゃないんだよね。

堀江:このヒト、面白そう。だから一緒に音を出してみたい。Curly Giraffeとずっと一緒に活動している理由はそこなんだよね。

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僕らは幸宏さんや佐野さんから、音楽に対するアティチュードを教えてもらったんだと思う

C:堀江くんとは2000年以降もLOVE PSYCHEDELICOでも一緒だったし、色んなセッションやライブをしてきたね。

堀江:異色だったのは、高橋幸宏 with In Phase。まさかギターにジェームス・イハ(スマッシング・パンプキンズ)を連れて来るとは思わなかった。

C:そのメンバーでツアーもやったし、一緒に曲もつくったね。

堀江:幸宏さんは、ジェームス・イハのソロやCurly Giraffeのアルバムが、70年代に好きだったCSN&Yやニール・ヤングのサウンドとリンクしたみたいなんだよね。

C:幸宏さんとちゃんと喋るようになって、音楽の趣味が意外と近いことを知って、より親近感を持ったんですよ。それを踏まえてのYMOだったと考えるとすごく合点がいった。

堀江:僕は2006年のサディスティック・ミカ・バンドも忘れがたい。加藤和彦さんには一度は会ってみたかったし、アルバムとライブに参加できて夢が叶ったと感じた。あれは僕にとってのロックンロール・ハイスクールだったな。

−−お二人とも日本のロック史に名を刻むレジェンドからの信頼が厚いですね。佐野元春さんのザ・コヨーテ・バンドもしかり。

C:歴代の佐野さんのバンドの中でいちばん長くなったんですよ。僕以外にもPLAGUES、NONA REEVESの90年代組が集結しているのも面白いところで。 でも、佐野さんの音楽についてはバンドの誰よりも堀江くんの方が詳しい(笑)。

堀江:一度、佐野さんの前で僕の想いを熱く語ったことがあったね(笑)。YMOもそうだけど、佐野さんも僕が人生で出会って衝撃を受けた音楽だから。

C:僕らは幸宏さんや佐野さんから、音楽に対するアティチュードを教えてもらったんだと思う。それは感謝したいところだね。

−−Curly Giraffeはアルバムではほぼすべてのパートを自身で演奏していますが、ライブの考え方は?

C:最初はライブを想定していなかったから、バンド編成でやることも考えていなかったんですよ。でも、音源で自分がやりたいことはやりきっているので、ライブは基本、自由演技。堀江くんもCurly Giraffeではけっこう素でプレイしてくれていると思う。

堀江:キーボードの場合は、こういう音色でやってくれという注文が多いんだけど、Curly Giraffeは自分が何気なく弾いてるフレーズを拾ってくれるし、それが欲しいって言われる。

−−堀江さんもソロ・アルバム『AT GRAND GALLERY』(2013)や歌ものシングル「Back To Back」をリリースしていますが、今後は?

堀江:『AT GRAND GALLERY』がインスト・アルバムだったので、次は歌ものをつくろうと取りかかったものの、思いのほか進みが遅くて。ただ、来年は僕も50になるので、何かリリースできたらと思っています。

C:NEIL AND IRAIZAのアルバム(『Timeless Melodie』2017)もあったけど、堀江くんのソロも早く聴きたいね。

堀江:来年はちょっと面白い企画を考えています。

−−最後に『ビルボードライブ』のステージの見所を。

C:今回はアコースティック編成なんだけど、堀江くんはピアノ、Wurlitzer、マンドリン、鍵盤ハーモニカなど色々やってもらうことになりそう。幸宏さんは、贅沢にもあえて歌だけでの参加!

堀江::前に幸宏さんと『ビルボードライブ』でバート・バカラックを観たんだけど、そのバカラックが弾いたピアノが弾けるのは自分にとってはすごく楽しみ。

C:『ビルボードライブ』の雰囲気を楽しむ余裕が自分にあるのか? たぶん、いっぱいいっぱいになってるとは思いますが、それも含めて貴重なライブを目撃してほしいですね。

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