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ザ・ウェイト・バンド来日記念特集 ~来日公演へ向けて必聴の名盤5作

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 いよいよザ・ウェイト・バンドがやってくる!アメリカン・ロックを語る際に、絶対無視できない伝説のグループ、ザ・バンド。その遺産を現代に受け継ぐグループが、その全貌をついにお披露目する。80年代以降のザ・バンド再結成で重要な役割を果たしたギタリスト、ジム・ウィーダーを中心に名うてのミュージシャン集結。加えて、なんとリトル・フィートからポール・バレアとフレッド・タケットも参加する。アメリカン・ルーツ・ロックの真髄を体感できるライヴになるはずだ。

 ザ・ウェイト・バンドについて語るなら、そのルーツとなるザ・バンドのことから始めるべきだろう。もともとはホークスというカナダのローカル・バンドだったザ・バンドは、1965年にボブ・ディランのバック・バンドに抜擢され、いわゆるアメリカン・ルーツ・ロックを追求することになる。メンバーは、リック・ダンコ(ベース)、レヴォン・ヘルム(ドラムス)、ガース・ハドソン(オルガン)、リチャード・マニュエル(ピアノ)、ロビー・ロバートソン(ギター)の5人。それぞれが複数の楽器をこなすマルチ・ミュージシャンであり、ヴォーカルやコーラスもできる才能の塊だった。1968年にデビュー・アルバム『Music From Big Pink』を発表して脚光を浴びた彼らは、当時の主流だったサイケデリック・ムーヴメントとは真逆のアーシーなアメリカン・ロックを追求し、多くの傑作アルバムを発表。しかし、1977年のラスト・アルバム『Islands』を最後に惜しまれつつ解散した。

 しかし、80年代に入ると、一部のメンバーを除いて再結成し、活動を再開。頑なに参加を拒否していたロビー・ロバートソンに代わり、重要なギタリストとして加わったのが、ジム・ウィーダーである。ザ・バンドが本拠地としていたニューヨーク州ウッドストックに生まれ育った彼は、アトランタやナッシュビルでセッション・ギタリストとして活動した後、ウッドストックに戻り、1985年にザ・バンドに加入。1999年に完全に解散するまで看板ギタリストとしてバンドのサウンドを支え続けた。また、ザ・バンド解散後も、レヴォン・ヘルム・バンドのメンバーとして重要な役割を果たし、2012年にレヴォンが逝去するまで寄り添い続けた。





 ザ・ウェイト・バンドは、2013年に始まったプロジェクトである。レヴォンがウッドストックに所有するスタジオ「The Barn」に集うミュージシャンたちが、ザ・バンドの楽曲を演奏するために始めたセッションが始まりで、マイケル・ブラム(ドラムス)、ブライアン・ミッチェル(キーボード)、マット・ザイナー(キーボード)、アルバート・ロジャース(ベース)といった実力派たちでメンバーが構成されている。彼らはライヴを重ねながらザ・バンドの楽曲だけでなくオリジナル・ナンバーも生み出し、2018年にはついにファースト・アルバム『World Gone Mad』を発表。アメリカン・ロックのファンから高い評価を得た。





 さて、今回の来日公演では、スペシャル・ゲストとして、リトル・フィートのポール・バレアとフレッド・タケットが参加することがアナウンスされている。リトル・フィートは、言うまでもなくザ・バンドと並び称されるアメリカン・ルーツ・ロックの伝説的なグループのひとつだ。1969年にスライド・ギターの名手であるローウェル・ジョージを中心に結成され、現在も活動を続ける長寿バンドでもある。ポール・バレアは、彼らの最高傑作といわれるサード・アルバム『Dixie Chicken』(1973年)から参加し、いわば黄金期を築いた中心的なメンバー。フレッド・タケットは正式加入こそ1988年であるが、70年代初頭から楽曲提供やセッションに参加している重要なギタリストだ。

 このザ・ウェイト・バンドの来日公演は、いわばザ・バンドとリトル・フィートという、最も重要なアメリカン・ルーツ・ロックのグループを同時に体感できるという貴重なライヴでもある。ここでは、予習のために聴いておきたい5枚の名盤を紹介しておこう。






CD

『Music From Big Pink』/The Band

(1968年)


 記念すべきザ・バンドのデビュー・アルバムにして、アメリカン・ロックの最高峰。ボブ・ディランが歌詞を書いた「Tears Of Rage」に始まり、ガース・ハドソンのオルガンが強烈な「Chest Fever」、そしてラストを飾るディランの美しき傑作「I Shall Be Released」など名曲揃いだが、なかでも素晴らしいのがザ・ウェイト・バンドの由来になった「The Weight」だ。たおやかなグルーヴを持ったバンド・サウンド、レヴォン・ヘルムとリック・ダンコが歌うゴスペル風のアーシーなメロディとハーモニーは見事としかいいようがない。








CD

『The Last Waltz』/The Band

(1978年)


 1976年の解散コンサートの模様を収録したライヴ・アルバムで、マーティン・スコセッシ監督によるドキュメンタリー映画のサウンドトラックでもある。スタジオ・レコーディングとは違ったライヴならではのグルーヴ感をたっぷりと味わえるほか、ニール・ヤングやジョニ・ミッチェルといった豪華なゲストとのセッションも多数収録。LP3枚組という大作だが、2002年には追加トラックを収録したボックスセットもリリース。ザ・ウェイト・バンドのライヴでも、ここで聴かれるようなダイナミックなアンサンブルを披露してくれるはずだ。








CD

『Dixie Chicken』/Little Feat

(1973年)


 ポール・バレアが初めて参加したリトル・フィートのアルバムであると同時に、バンド史上最高傑作といわれるサード・アルバム。ニューオーリンズ・スタイルのピアノを聴かせるビル・ペインと、縦横無尽のスライド・ギターを奏でるローウェル・ジョージのコンビネーションがポイントで、バンドとしても一体感が素晴らしい。「Dixie Chicken」や「Fat Man In The Bathtub」といったライヴでの重要ナンバーに加え、ポールがリード・ヴォーカルを取る「Walkin' All Night」やフレッド・タケットが書いた「Fool Yourself」なども要チェック。








『Let It Roll』/Little Feat

(1988年)


 リトル・フィートは1979年にローウェル・ジョージが死去したことでいったん解散するが、1988年に再結成。その際に、フレッド・タケットは正式メンバーに迎え入れられる。そして、復活後最初に発表した作品が本作。ボニー・レイット、リンダ・ロンシュタット、ボブ・シーガーといったゲストに目を奪われるが、実際にはブルース、ニューオーリンズ、ザディコなど様々なアメリカン・ミュージックをミックスした力作。ポールのヴォーカルも冴えており、復活の狼煙としては申し分のない充実した内容となった。








CD

『World Gone Mad』/The Weight Band

(2018年)


 ザ・ウェイト・バンド初のアルバムであり、今回の来日公演ではメインのセットリストに入るであろう作品。ジム・ウィーダーがザ・バンドのために書いていた未発表のオリジナル曲も多数含まれていることもあり、まさにザ・バンドの黄金期を継承したようなサウンドがてんこ盛りだ。ジムのギターとマンドリンの音色が印象的で、レイドバックしていながら現代的な質感も持ち合わせている。元ブラック・クロウズのジャッキー・グリーンをフィーチャーしたジェリー・ガルシアのカヴァー「Deal」も収録。ライヴが楽しみになる充実盤だ。





 

 

ザ・ウェイト・バンド「ワールド・ゴーン・マッド」

ワールド・ゴーン・マッド

2019/08/14 RELEASE
VSCD-3965 ¥ 2,500(税込)

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