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10cc、ジョニー・ヘイツ・ジャズ来日記念特集~両バンドの足跡を当時のUKミュージック・シーンと共に振り返る



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 2019年1月、1970年代と80年代のブリティッシュ・ロック・シーンで個性的な存在感を放った2バンドが相次いで来日公演を行う。「アイム・ノット・イン・ラヴ」(1975年/全英1位、全米2位)、「愛ゆえに」(1976年/全米6位、全英5位)など記憶に残るビッグ・ヒットを持つ頭脳派ロック・バンド、10cc。「シャッタード・ドリームス」(1987年/全英5位)、「反逆のヒーロー」(1987年/全英11位)、「ターン・バック・ザ・クロック」(1987年/全英12位)など、80年代後半にニューウェイヴ世代によるアーバンなサウンドで、イギリスやヨーロッパを中心に人気を博したバンド、ジョニー・ヘイツ・ジャズ。
 両バンドには直接の接点はないように思えるが、それぞれの全盛時代は、当時のブリティッシュ・ポップ・シーンの個性やにぎやかさを象徴しているし、両者が作っていたサウンドには単なるノスタルジーではなく、現代にも通用する音楽的なセンスが濃厚にある。両者の歩みや当時の状況を振り返りつつ、現在の活動や今その音楽に触れる意義を考えてみたい。

英国気質のユーモアやポップな完成度を象徴するバンド、10cc

 まずは、1月27日から東京/大阪のビルボードライブで計6公演を行う10cc。現在は、オリジナル・メンバーだったグレアム・グールドマン(ベース、ギター、ヴォーカル)を中心にした職人的なミュージシャン5人による編成。1946年生まれのグールドマンは10代からソングライターとしてホリーズに大ヒット曲「バス・ストップ」(1966年)などを提供していた才人で、72歳を迎えた今も精力的にバンドで活動している。

 10ccの母体は、コミカルな要素も強かったロック・バンド、ホットレッグス(エリック・スチュワート、ケヴィン・ゴドリー、ロル・クレーム)。スチュワートは1960年代にウェイン・フォンタナ&ザ・マインドベンダーズのギタリストとしてデビューを果たしていた生粋のロック・ミュージシャン(フォンタナ脱退後のマインドベンダーズにグールドマンも参加していた)。のちに、実験的なデュオ/映像作家チームとして名をはせるゴドリー&クレームは大学時代からの友人で、10代の頃からグールドマンとも旧知だったという。


▲The Hollies - Bus Stop (1966 Live)

 そのホットレッグスにグールドマンが合流して、1972年に結成されたバンドが10ccだった。60年代にソロ・アルバム『グレアム・グールドマン・シング』(1968年)をリリースし、ソングライターとしても大きな成功を収めていたグールドマンは彼らの旧友でありながら、同時に業界の先輩的な立場でもあった。また、彼の良質なメロディ・センスが注入されたことで、他の3人の才能もまた喚起されたということもできるだろう。

 デビュー曲「ドナ」(1972年)がビートルズの「オー・ダーリン」のパロディに聞こえたり、高度な音楽センスとニヒルな皮肉を織り交ぜた10ccの音楽性は、ある意味、イギリス国民の気質に宿る「きついユーモア」を受け継いだものでもあったが、そのいっぽうで4人のハーモニーの目を見張るカラフルさや楽曲をドラマチックに構築できる実力は、同時代にイギリスでデビューしたクイーンやパイロットにも並び称されるものだった。そういう意味でも10ccは、まさに70年代のイギリスを代表するバンドのひとつだったのだ。


▲10CC - Donna • TopPop

 1975年には、サード・アルバム『オリジナル・サウンドトラック』からシングルカットされた「アイム・ノット・イン・ラヴ」が、多重録音による印象的なコーラス・サウンドとともに世界的大ヒットを記録(2014年には映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でも、とても印象的な場面で使用された)。しかし、世界的なブレイクを果たしたこの時期から、良いメロディを重視するスチュワート&グールドマンのコンビと、「ギズモトロン」というアタッチメントの開発など、スタジオでの実験に傾倒するゴドリー&クレームのコンビにバンドは分裂を始めていく。


▲10cc - I'm Not In Love

 1976年にゴドリー&クレームがバンドを脱退。残った2人はサポート・メンバーを補充し、よりわかりやすさを増したサウンドで10ccとしての活動を継続。また、ライブ・バンドとしての強度も獲得してツアーを重ね、アメリカでの本格的な成功も手に入れた。90年代にスチュワートがバンドを離れ、1999年以降は、グールドマンが中心となり現在まで継続して活動を続けている。2012年には40周年のアニヴァーサリー・コンサートも行われ、2019年にはグールドマンの10ccも活動開始から20年の節目を迎える。充実した演奏による素晴らしいライブが堪能できそうだ。

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アーバンでスタイリッシュなジョニー・ヘイツ・ジャズ

 10ccが70年代半ばのイギリスのひねくれたユーモアやポップな完成度を象徴するバンドだとしたら、1月25日から東京/大阪のビルボードライブで計6公演を行うジョニー・ヘイツ・ジャズは、デュラン・デュランなどが切り開いた1980年代前半のニュー・ロマンティックなサウンドを、より洗練されたアーバンでファッショナブルなものに変化させていった存在だ。同時代には、すでにリック・アストリーやカイリー・ミノーグらを輩出したプロデューサー・チームであるストック・エイトケン・ウォーターマンによるユーロビートが大きな勢力を持っていたが、そこにイギリスの若者らしい反逆心を秘めたバンド・サウンドで対抗していったのが彼らだったとも言えるだろう。彼らのヒット曲のひとつ「反逆のヒーロー」は、当時まだアイドル歌手でユーロビート・ディスコを歌っていた長山洋子が日本語でカヴァーしてヒットさせている。


▲Johnny Hates Jazz - I Don't Want To Be A Hero

 1992年にいったん解散後、2007年にクラーク・ダッチェラー(ボーカル、キーボード)、カルヴィン・ヘイズ(キーボード)、マイク・ノシート(ベース)を中心に再結成した彼ら。その後、ヘイズは2010年に脱退し、現在はダッチェラーとノシートを中心に活動。2013年には22年ぶりのサード・アルバムもリリースした。当時、若い彼らが背伸び気味に目指したスタイリッシュなサウンドには、むしろ今の年齢のほうが表現がしっくり似合っているような気がする。


▲Johnny Hates Jazz - Shattered Dreams

 10ccとジョニー・ヘイツ・ジャズ。一見、違う時代のイギリスを生きた関係のないバンドに思えるが、じつは不思議な縁もある。ジョニー・ヘイツ・ジャズのデビューにあたっては、60~70年代のイギリスで大きな存在感を持っていたベテラン・プロデューサー、ミッキー・モストが大きく関わっていた。オリジナル・メンバー、カルヴィン・ヘイズの父親がモストだったのだ。その縁から彼らはモストが経営するRAKレコードから1985年にデビューを果たした。

 そのモストがロック・プロデューサーとしての大きな成功を手にした初期のバンドがハーマンズ・ハーミッツで、彼らに「イースト・ウェスト」という曲を提供していたのが、若き日のグールドマンだった。遠いようで近い不思議な縁があるのも、ロック・ヒストリーの長さでもあり、おもしろさでもあるんだなとつくづく思う。

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愛ゆえに~10ccベスト
10cc「愛ゆえに~10ccベスト」

1996/12/21

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10CCイン・コンサート
10cc「10CCイン・コンサート」

1995/04/05

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びっくり電話:ハウ・デア・ユー
10cc「びっくり電話:ハウ・デア・ユー」

1994/11/06

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オリジナル・サントラ
10cc「オリジナル・サントラ」

1994/11/06

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¥1,888(税込)

チェンジング・フェイセズ
10cc ゴドレイ&クレーム「チェンジング・フェイセズ」

1993/03/21

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¥2,307(税込)

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