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「黒さ」が印象悪いなら、音楽やりません。「サウンズ・オブ・ブラックネス」



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 ジャム&ルイスのプロデュースにより3度のグラミーに輝いたアーバン・ゴスペル・グループ、サウンズ・オブブラックネス(SOB)の来日公演が4月に決定している。ルーツであるゴスペル音楽を自在に昇華し、錚々たるレジェンドたちと共演を果たす彼らの魅力を、すべてのパートを自分の声と身体だけで演奏する一人アカペラ・シンガー、よう いんひょくに語ってもらった。

vol.1:彼らのライブで、アカペラライブのイメージは変わる。「ロッカペラ」の“ステージ”

「黒さ」が印象悪いなら、音楽やりません。「サウンズ・オブ・ブラックネス」


 昔、知り合いに「黒人がやっている音楽をブラックミュージックなんて言ったらだめだよ。ちゃんとR&Bとか、ソウルミュージックって言わなきゃ。」と言われたことがある。ブラックミュージックというと、人種差別用語になるかもしれないし、本人たちは自分たちの音楽をそう呼ばないから、ちゃんとジャンルで言ったほうがいい、ということだった。自分の中では、むしろかっこいい印象の言葉だったし、「歌がすごくうまい人たちがたくさんいる音楽」というイメージで、実はすごくプラスの意味で使っていた。だから、正直言われたことはピンと来ないまま、なんとなく使わないようにしていた。

 でも今回、「あれ?実は大丈夫なのかも?」と思える名前をかかげたグループ、「サウンズ・オブ・ブラックネス」が日本へやって来るので、堂々とこの素晴らしい“ブラックミュージック”を取り上げたい。

黒いサウンド

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 歌手は、前に出たがる。それが歌手の性というものだ。自分の歌唱力を存分にアピールし、お客さんを盛り上げ、バンドをぐいぐい引っ張って会場を感動させたくなるものだ。でもこのグループは、それをしない。彼らの良さはここにある。彼らは全員が合わさって“一つのサウンド”として音楽を作っているので、特定の人に注意を奪われることなく、“ブラックミュージック”そのものを楽しむことができるのだ。


▲ Sounds of Blackness - Live


 サウンズ・オブ・ブラックネスのデビュー作『The Evolution of Gospel』はグラミー賞を獲得。その後も2つのグラミー賞、ソウル・トレイン・ミュージック・アワードのベスト・ゴスペル・アルバム賞など数多の賞を受賞し、アメリカのダンス、R&B/ヒップホップチャートの上位を何度も獲得してきた。以来、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダー、プリンスなど、素晴らしいミュージシャンたちとの共演も果たし、現在も世界中でライブを行っている。R&B/ヒップホップ/ファンク/ソウル/ジャズなど、黒人音楽にルーツを持つ音楽をまとめ、親しみやすいアレンジで自分たちの音楽として届ける、唯一無二のゴスペルクワイアバンドだ。


▲ 「Hold On (Change Is Comin') 」 - Sounds Of Blackness

▲ 「Soul Holidays」 - Sounds Of Blackness


歌手の性を抑えたくなる

 音楽には“前後の関係”がある。要は目立つパートとそれをサポートするパートだ。そのバランスがよく整っていると、聴く人は意識しなくてもどこに集中したらいいか分かるし、そのバランスの良さが、音楽の聴きやすさにもつながる。例えばロックバンドなら、ボーカルがもっとも前にいて、ときにはギターやドラムが前に出てくることもある。ジャズトリオであれば、ピアノがメロディを奏でることで一番先頭に立ち、曲を引っ張っていく。意識しなくてもそこに集中が集まるように音楽を展開していく。一流のミュージシャンはこの前後関係を作るのが本当に上手い。

 サウンズ・オブ・ブラックネスのシンガー・ミュージシャンたちがそれができるのは、目立ちたい気持ちがありながらも、「私の隣にいる、この素晴らしい人の歌も聴いて欲しい」と、心から思い、尊敬し合えるメンバーと共に音楽を作っているからだろう。レコード契約の際、レーベルから「『ブラックネス(黒さ)』という言葉は印象がよくないから変えてくれ」と言われたのにも関わらず、リーダーのゲイリー・ハインズはきっぱりと断ったというエピソードもある。それほどに、一つのサウンドとして自分たちの黒人音楽を届けることは、彼らにとって非常に重要なのだろう。

ブラックミュージック、黒人音楽とは

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 3月半ば、黒人女性活動家/ブロガーのセレン・センセイが、「黒人じゃないブルーノ・マーズが黒人音楽をやるのは文化の盗用だ!」と激しく批判し、炎上した。それに対して、偉大な黒人ミュージシャンの1人であるスティーヴィー・ワンダーは「神は音楽をだれしもが楽しめるものとして創造した」とブルーノ・マーズを擁護するなど、黒人音楽についての議論が巻き起こっていた。

 黒人音楽とはなにか。

 若いミュージシャンや、高校生とのコラボレーションなどを通じて、自分たちのサウンドを継承していくことにも力を入れているサウンズ・オブ・ブラックネス。彼らのステージを観ることで、なにか感じることができるかもしれない。彼らのライブでは、いつもより視野を広げ、素晴らしく調和された“黒人音楽”を楽しんでほしい。


▲ 「ROYALTY feat. HSRA (High School for Recording Arts) 」 (OFFICIAL VIDEO) - Sounds of Blackness

 

 

ザ・サウンズ・オブ・ブラックネス「キングス&クイーンズ」

キングス&クイーンズ

2008/02/20 RELEASE
PVCP-8787 ¥ 2,621(税込)

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Disc01
  1. 01.タイム・フォー・ラヴ
  2. 02.キングス&クイーンズ
  3. 03.シー・イズ・ラヴ
  4. 04.ザ・メッセージ
  5. 05.ビー・リアル・ブラック・フォー・ミー
  6. 06.マーティン・ルーサー・キング
  7. 07.ウィ・シャル・オーヴァーカム
  8. 08.フリー・アット・ラスト
  9. 09.プレシャス・ロード
  10. 10.マーチ・ソング・メドレー
  11. 11.チルドレン・オブ・ザ・ドリーム
  12. 12.マイ・ソウル・イズ・レステッド
  13. 13.ホールド・オン・ジャス・ア・リル・ホワイル・ロンガー
  14. 14.アイ・ガット・ア・ローブ
  15. 15.レット・マイ・ピープル・ゴー
  16. 16.ロック・マイ・ソウル
  17. 17.オデュンデ
  18. 18.ドント・ストップ・ティル・ユー・リーチ・ザ・トップ

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