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【SPOTIFY ON STAGE】に日本人アーティストとして初出演!謎の覆面デュオAmPmにインタビュー



AmPm インタビュー

 2017年3月に『Best Part of Us』を配信限定でリリースし、わずか5ヶ月でSpotifyの再生回数が660万回以上(2017年8月時点)、8月9日にインドネシアで開催されたSpotify初の大型フェスティバル【SPOTIFY ON STAGE】で7,000人以上もの観客の前で初ライブを行ったクリエイティブユニットAmPm(アムパム)。初ライブへの感想と、Spotifyをきっかけに一気に活躍の場を広げた現在の心境についてインタビューを行った。

あまりの迫力に緊張が吹き飛びました

――先日、Spotifyによる初の大型音楽フェス【SPOTIFY ON STAGE】に日本人アーティスト代表として出演されました。いかがでしたか?

AmPm右:【SPOTIFY ON STAGE】は、僕らにとって初ライブでした。それが7,000人の前でのパフォーマンスだったので…。とにかくすごかったですね。

AmPm左:インドネシアでのライブも、もちろん初めてだったので驚きの連続でした。まず驚いたのは、インドネシアではライブの前に国歌斉唱をするんです。しかもただ歌うだけではなく、すごく大声でみんな熱唱していて。もう、その時点で会場がものすごく盛り上がっていました。僕らはトップバッターだったので、その熱狂の中スクリーンに「AmPm」という名前が映し出されたんですが、さらに盛り上がって。舞台袖で見ていましたが、あまりの迫力に緊張が吹き飛びましたね。「すごいことになっているな…」って。それからカウントダウンが始まって、僕らが登場したらさらにすごい歓声で。

――パフォーマンス前から、すごい熱狂だったんですね。

AmPm左:しかも、インドネシアの観客の皆さんって全曲一緒に歌ってくれるんですよ。その姿にも圧倒されました。さらにデビュー曲ならまだしも、フェスが開催された8月9日に新曲をリリースしたんですが、その新曲もみんなサビのところを一緒に歌ってくれて。リリースしてからライブまでの12時間くらいの間に、ちゃんと聞いて覚えてきてくださったようです。「こんなことってあるんだ」って、本当に感動しました。

AmPm右:音楽の温かさを感じたよね。

――当日は、DNCEやNCT 127、さらにインドネシアのアーティストも出演していましたが、他のアーティストとの交流はありましたか?

AmPm左:当日は朝から晩までずっとインタビュー漬けだったんです。シロクマをかぶった状態のままで、入れ替わり立ち代わり、色んなメディアのインタビューがあって。あまりの暑さに、半分白目を向きながら答えていました(笑)。

AmPm右:なので、写真は何枚か一緒に撮らせてもらいましたが、喋ったり他のライブを見たりする時間は全然なかったですね。

AmPm左:その時の写真は、何枚か僕らのinstagramにもアップしています。インドネシアの人気女性アーティストのRaisaとの写真もアップしていますが、彼女のフォロワーは1,500万人もいるんですよ。なので、フェスの後、インドネシアのフォロワーがすごく増えました。そういう意味でも、世界の広さを感じたフェスでしたね。本番直前までインタビューを受けてフラフラになりながらステージに上がりましたが、今回のチケットは完売だったので、客席の皆さんは朝の8時から並んでくれていたみたいで。日本にいると音楽業界は景気の悪い話ばかりを聞きますが、そんなことを微塵も感じさせないような熱狂ぶりでした。

――AmPmは、2017年3月に「Best Part of Us」をダウンロードとストリーミングでリリースされました。その結果リリースから10日でSpotifyでの再生数が100万回を突破し、200以上のプレイリストに取り上げられるなど話題になりました。Spotifyでヒットした理由はなんだと思われますか。

AmPm左:僕らも、この数は予想していなかったので驚いているんですが、Spotifyと他のストリーミングの違う点を挙げるとすれば、Spotifyにはバイラルチャートという口コミチャートがあるんです。SNSでの口コミランキングをグローバルと国別に見ることができるんですが僕らのデビュー曲は、まずグローバルのバイラルチャートで38位にチャートインしました。日本のSpotifyに注目いただけたのも、このバイラルチャートに入ったことがきっかけです。



▲ 「Best Part of Us feat. Michael Kaneko」


――4,000万曲以上ある楽曲の中で、トップ50に入るのは大変なことだと思います。チャートインできた理由はなんだと思いますか?

AmPm左:実は僕らにも全然分からなくて。グローバルで38位に入って驚いた翌日、USのバイラルチャートで6位に入ったんです。それで何が起こってるんだと思い、自分なりにTwitterやFacebook、instagramなど様々なSNSでの反応を調べました。多少広告は出したので、いくつか仮説は立てられましたが、正解は分からなくて。もしかしたら、エラーかもしれませんね。

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無名のインディーズからすると、チャンスが多いサービスですよね

――え?エラーですか?

AmPm左:コンピューターの世界ですからね(笑)。でも、1回でチャートアウトしたわけではなく、2ndシングル以降もインドネシアで4位や台湾で5位、フィリピン、マレーシア、ウルグアイやコロンビアのバイラルチャートにも入ることができました。

――北米やアジア圏のみならず、色々な国でチャートインしているんですね。現在の平均リスナー数は、どれくらいですか。

AmPm左:今は、月間平均100万人です。コロンビアやウルグアイなど自分が行ったことのない国でも、口コミが広がっているのは不思議な気分です。あと、Spotifyと他のストリーミングサービスとの違いはプレイリストの数ですね。ムード別やジャンル別など、Spotifyには膨大な数のプレイリストがあるんです。有名無名問わず、色んなアーティストでプレイリストが構成されているので、僕らのような無名のインディーズからすると、チャンスが多いサービスだなと思いますね。さらに、Spotifyは再生数が表示されたり、国別のリスナー数が見れたりするのも面白いですよね。

――アーティスト本人が自分の曲の再生数を知れるだけでなく、ユーザーもアーティストの詳細ページから都市別ランキングを見れるのは面白いですよね。ちなみに、今AmPmのリスナーで最も多いのはどの国ですか?

AmPm左:国別と都市別では少し違うんですが、国別では1位がアメリカ、2位ドイツ、3位インドネシア、4位ブラジル、5位メキシコ、6位日本です。都市別だと1位ジャカルタ、2位東京、3位メキシコシティ、4位台北ですね。こういうデータは僕らにとっても非常に参考になるので、各曲の反応や動向を見ながらマーケティング戦略を立てています。

――都市別では東京が2位ということですが、リリース当初から日本のリスナーは多かったんですか?

AmPm左:東京のリスナーが増えたのは最近になってからですね。1曲目をリリースした時は、東京のリスナー数は50位にも入っていませんでしたから。少しずつ日本のリスナーも増えてきて、今は東京だけで月間1万人以上のリスナーがいます。

AmPm右:国内外のラジオ局でも流していただけていて。各局のディレクターの方がSpotifyを通じて知ってくださっているようです。

――Spotifyをきっかけに少しずつ楽曲が広がってきているんですね。

AmPm左:実は、僕たちが1stシングルをリリースしたのは2017年3月なんですが、曲が出来上がったのは2015年だったんです。

――デビューするより2年も前に曲ができあがっていたんですね。

AmPm左:ユニット名もなにも決めていない段階で、まず曲だけが生まれました。そこから「この曲が合う季節はいつなのか」など、リリースするタイミングや方法などを考えた結果、2017年3月にリリースすることにしました。はじめはアナログで出そうかというアイディアもありましたが、2016年に日本で多くのストリーミングサービスがスタートしたので、ストリーミングとダウンロードでリリースすることにしました。

――もしかして、2015年にアナログでリリースしていたら状況は違ったかもしれませんね。

AmPm右:たぶん、ここにはいないですね(笑)。

――ユニット名のAmPmには、どんな思いが込められているんですか?

AmPm右:今日1日を楽しく過ごせるために、午前のAMと午後のPMを繋げて”AmPm“にしました。

――AmPmのメンバーは、お2人だけですか?

AmPm左:僕ら以外にもトラックメーカーなど5人くらいのチームでやっています。あとは、曲によって様々なゲストシンガーにも参加してもらっています。全体のディレクションは僕らがやりますが、今後パフォーマンスする時は、覆面の中身は変わるかもしれませんし、覆面自体も曲にあわせて変えても良いと思っています。実際、このシロクマは8月までにして、9月からは違う覆面にするつもりです。なので、AmPmはユニット名というよりプロジェクト名に近いですね。

――それぞれの役割はなんですか?

AmPm右:コンセプト作りやゲストシンガーの選定など、音楽面のディレクションは僕が担当しています。

AmPm左:僕は、デザインやプロモーションなど全体のディレクションとマーケティングを担当しています。先ほどAmPmはプロジェクト名に近いと言いましたが、メディアのような存在になれたらな、とも思っているんです。毎回、新人のヴォーカリストに参加してもらっているんですが、僕らのプロジェクトを通じて、彼らのことも世界に発信していきたいと思っています。

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ストリーミングというサービスは、とても僕らに合っている

――アナログを出すという案もあったということですが、現在はダウンロードとストリーミング、YouTubeで楽曲を配信されています。それぞれのサービスの使い分けは意識していますか。

AmPm左:特に意識はしていませんね。僕らは、まだデビューして5ヶ月なので売上げを立てることよりも、認知していただくのが先だと思っています。なので、そういう意味でストリーミングというサービスはとても僕らに合っていると思います。ストリーミングは、無料のサービスや有料のサービスなど様々ありますが、有料サービスのユーザーだとしても僕らの曲を聴くためにお金を払っているという意識はなく聴いてくださっていると思います。そういう気軽さが、ストリーミングの良さですよね。なので今は間口を広くして、多くの人に聴いてもらいたいと思っています。

――私達は日米ともに、ダウンロードやストリーミング、YouTube再生数などを合算した複合チャート“Billboard HOT 100”を作っています。

AmPm左:僕らのようなデジタル領域で活動しているアーティストにとって、ビルボードのようにデジタルでの動向を数値化してくれるチャートは、とても追い風になります。今、日本ではまだまだフィジカルが売れていますが、僕の持っているパソコンにはCDドライブは付いていませんし、これからフィジカルの販売枚数は減っていくのではないかと思います。海外では、デジタルだけを評価するようなチャートやアワードもあるので、日本にもそういうアワードがあれば、これから音楽を目指す人にとって新たな可能性を示せるのではないでしょうか。BABYMETALのように、海外で高い評価を受けている日本人アーティストもいますが、日本国内で活躍しているアーティストの数と比較すると、圧倒的に少ないですよね。日本にも色んなジャンルのアーティストがいて、多様な曲が生まれているんだということを、もっと海外の人達にも知ってもらいたいと思っています。

――今後の目標はなんですか?

AmPm左:このスピードで、こんな規模感になるとは思っていなかったので自分自身でも困惑していますが、Spotifyで最も再生される日本人になりたいですね。Spotifyでは再生数などの実数を知ることができるので、新曲をリリースするたびに、再生回数の多いプレイリストに入っている音楽のジャンルを調べてみるなど色んな分析をしてきました。ですが僕らのプロジェクトの根本は、僕ら2人が聴きたい曲を作ることです。なので、今までの音楽ビジネスのやり方に囚われることなく、自分たちが面白いと思うもの、聴きたいと思う曲と向き合って、発信し続けたいと思っています。

――日本のストリーミング市場も伸びてきているので、今後日本でも、ロードのようにSpotifyをきっかけに世界へ羽ばたくアーティストも登場するでしょうね。

AmPm左:Spotifyには、メジャー、インディーズの垣根なく作られたプレイリストがたくさんあります。 なので僕らのように、良い意味で予期せぬ聴かれ方をすることも多々あります。まずは10曲リリースすることを目標にコンスタントに曲を発信し続けたいと思っています。

AmPm右:次回作では、海外アーティストとのコラボも企画しています。

AmPm左:交渉しないといけないことは山ほどありますが、今までは交渉どころか土俵にすら立つことができませんでした。なのでこのチャンスを活かして、是非実現させたいと思っています。そして著名なアーティストと若手アーティストを分け隔てすることなくコラボしていきたいですね。それができれば、日本でもユニークな活動事例が作れるんじゃないかと思っています。ただ、この半年で状況が大きく変わったので、これから半年後、今年の冬ですら自分たちがどうなっているか分かりません。僕たちも、これからが楽しみです。



▲ 「Sunset Breeze」


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