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久保田麻琴「リラックス&スリープ~バリ」

リラックス&スリープ~バリ

久保田麻琴               

2016/03/25 RELEASE

Track List
バリ島に思いを馳せながら、夢の世界へ…日本屈指のミュージック・トラヴェラーが贈る洗練されたサウンドスケープ

 絶え間なく打ち寄せる波の音、遠くで聞こえる虫の声、そしてガムランが奏でる異国のメロディ。永遠の楽園バリ島の空気感を再現してくれるのが、この『リラックス&スリープ~バリ』という作品だ。ガムランというと、大音量で合奏されるイメージを持つ方も多いだろうが、ここではあくまでも優しく包み込むような音色で演奏されている。まさに、リラックスしながら眠りにつくためにはぴったりなサウンドに仕上がっているのだ。

 作者である久保田麻琴に関しては、もはや説明する必要はないかもしれない。裸のラリーズや夕焼け楽団、サンディー&ザ・サンセッツといったグループで日本のロック・シーンを切り開いてきただけでなく、多数のプロジェクトで世界各国にも目を向けるミュージック・トラヴェラーでもある。ブラジル、アフリカ、アジア、ハワイ、トルコ、宮古島、そして阿波踊りにいたるまで、知られざる音楽を発掘し、自身のフィルターに通すことによって新しい音楽を生み出し続けてきた。バリ島の音楽に関してもすでに何度もアプローチしており、『バリ・ドリーム』(2008年)や『スピリット・オブ・ヒーリング~バリ』(2010年)という意欲作を残している。本作もその発展形といってもいいだろう。

 しかし、既発作が現地でのフィールド・レコーディングが主体であるのに対して、この『リラックス&スリープ~バリ』はスタジオでの作業が基本になっている。そのため、以前の作品に比べるとアーシーな質感は少なめで、さらに洗練されたミニマルな感覚だ。波の音で包み込みながらも、安定したガムランのサウンドは、まるでオルゴールのように一定のトーンを保っており、極上のアンビエント・ミュージックに仕上がっている。もしかしたら、ここまでシンプルなサウンドに構築されたガムランは、これまで無かったかもしれない。いずれにせよ、じっくりと聴いて楽しめる作品であると同時に、心安らかにまどろむためのBGMにするのが最高の聴き方。ボリュームを少し絞り、目を閉じてバリ島に思いを馳せながら、夢の世界へ……。(REVIEW:栗本 斉)

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